「好き」 この感情を表すとしたら、きっとこんな言葉。 顔を見ると嬉しくなる。 声を聞くと心臓の鼓動が早くなる。 一緒にいると、幸せな気持ちになれる。 そんな俺のあいつへの気持ちはきっとこの言葉。 あいつが、いつも俺に言う言葉。 だけど、俺は言わない。言ってやらない。 認めたくないから。 この気持ちを、あいつと同じ気持ちを持つことが許せないから。 「嫌い」 だから俺はこの言葉を使う。 それでも、あいつは見透かしたように言う。 「好き」 言われるたびに、胸の奥が熱くなる。苦しくなる。 つらくなって…くるしくなって… 俯いた。 喉の奥がきゅっとなる。 本当に言わなきゃいけない言葉が出かけて…また奥に帰っていった。 あいつは俺を抱きしめた。 「わかってるから…」 それだけ言った。 俺はいつから、この男の言葉に甘えるようになったのだろう。 甘えることで、どれほどの本音を押し殺してきたのだろう。 こんな女々しい俺でも、お前はいつも一緒にいてくれる。 言わなきゃ…言わなきゃ… 「嫌いな…わけじゃない…」 やっと顔をのぞかせた本音。 頬が焼けるように熱い。 今、どんな顔をしてるのか、わかる。 あいつの顔をみてもわかる。 嬉しそうに笑って、また俺を抱きしめた。 「いつも嫌いっていうくせにっ!」 「うるせぇよ…」 あんなに嬉しそうなあいつの顔を見れるなら、たまになら…言ってやってもいいかな。 ***************************************************************************** ツンデレ!ツンデレ!! 兄貴がかっこよくなってしまった!! かっこいい兄貴にさらに惚れちゃうといいよ! |