「好き」


この感情を表すとしたら、きっとこんな言葉。

顔を見ると嬉しくなる。

声を聞くと心臓の鼓動が早くなる。

一緒にいると、幸せな気持ちになれる。

そんな俺のあいつへの気持ちはきっとこの言葉。


あいつが、いつも俺に言う言葉。


だけど、俺は言わない。言ってやらない。

認めたくないから。

この気持ちを、あいつと同じ気持ちを持つことが許せないから。


「嫌い」


だから俺はこの言葉を使う。

それでも、あいつは見透かしたように言う。


「好き」


言われるたびに、胸の奥が熱くなる。苦しくなる。

つらくなって…くるしくなって…

俯いた。

喉の奥がきゅっとなる。

本当に言わなきゃいけない言葉が出かけて…また奥に帰っていった。


あいつは俺を抱きしめた。

「わかってるから…」

それだけ言った。


俺はいつから、この男の言葉に甘えるようになったのだろう。

甘えることで、どれほどの本音を押し殺してきたのだろう。


こんな女々しい俺でも、お前はいつも一緒にいてくれる。

言わなきゃ…言わなきゃ…


「嫌いな…わけじゃない…」


やっと顔をのぞかせた本音。

頬が焼けるように熱い。

今、どんな顔をしてるのか、わかる。

あいつの顔をみてもわかる。


嬉しそうに笑って、また俺を抱きしめた。


「いつも嫌いっていうくせにっ!」

「うるせぇよ…」


あんなに嬉しそうなあいつの顔を見れるなら、たまになら…言ってやってもいいかな。




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ツンデレ!ツンデレ!!
兄貴がかっこよくなってしまった!!
かっこいい兄貴にさらに惚れちゃうといいよ!